一般社団法人静岡県土木施工管理技士会

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>> 技士会からの質問・要望への回答


1.工事における設計変更の問題点について

(質問) No.1

仮設損料の明確な詳細(使用月数等)を提示していただけないでしょうか。また、継続工事による仮設材の引継ぎの徹底をお願いできないでしょうか。

(回答) No.1

仮設損料の積算条件としては、使用月数等の選定が必要であるため適切に提示されており、継続工事による引継については、建設部の取り決めとして継続工事へ当初工事工期末翌日から撤去日までを計上することを指導しております。今後とも徹底が図れるよう指導していきます。

(質問) No.2

資機材の搬出入路に荷重制限橋(14t)が有り、機械は分解して搬出入、残土は4tダンプで搬出しましたが、進入路用購入土は大型ダンプ(10t)車の搬入設計になっているため、設計変更を協議しましたが認められず、仮置場にて4tダンプに積替え現場搬入しました。このような場合設計変更はできないのでしょうか。

(回答) No.2

設計積算時には、現地を確認した上で各現場の条件や状況を十分考慮し、適正な積算を指導しております。しかし、状況変化や事前の確認ができていない要因により設計図書と工事現場等の不一致があった場合については、契約約款第18条及び「設計図書の照査ガイドライン」(平成16年3月29日付建技第361-3号通知)に基づき、必要に応じて設計図書の変更をするなど、請負者と発注者の間で協議をし、適切に契約上の手続きを行うこととしていますので、担当監督員,主任,総括と十分な打合せをし、様式第5号(指示・承諾・協議・提出・報告書)により、文書で取り交わしていただきたいと思います。

(質問) No.3

狭小現場で明らかに大型機械の施工が出来ないのにバックホウ0.8m3、大型ダンプ10tや、生コン車の小型割増の計上が無い等、現場の状況を無視した設計が多々ありますが、その都度協議しても変更されません。コンサルタントを含め現地をよく調査し実情にあった設計をお願いできないでしょうか。

(回答) No.3

上記と同様に適正な設計図書作成に努めていきます。

(質問) No.4

当初の設計工種の50%以上変更になっている場合は、別途発注(随契を含めて)は考えられないのでしょうか。

(回答) No.4

建設部では、「設計変更事務処理要領(改正平成4年5月29日付管第190号)」を定めており、要領において、変更見込額が請負代金額の30%を超える工事は、施工中の工事と分離して施工することが著しく困難なものを除き、原則として別途の契約とするものとしております。また、毎年これら事務処理がされるように出先事務所への立入調査を行っております。今後とも要領に基づいた適切な事務処理がなされるよう指導していきます。

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2.工事成績評価要領の運用について

(質問) No.5

請負業者は工事評価点を上げるために日々努力しておりますが、小規模小額工事(250万円以上〜2000万円以下)の評価点が2000万円以上の工事と比べて低いと思います。書類、社会貢献などの度合いが少なく、また加点対象の項目も少ないのに、工事評価はすべての工事が同じ土俵で行われていると思われるので、2000万円以下と2000万円以上の工事を分けて工事評価を考えていただけないでしょうか。(工事評価点を上げるために2000万円以上の工事に適用されている書類などを作成して工事評価点をあげるという方法もあるとは思いますが、これは主旨からはずれていると思います。)

(回答) No.5

250万円以上500万円未満の少額工事と500万円以上の工事に分け評定していますが、必ずしも2000万円未満の評定点が下がるとは考えていません。高額な工事でも単純な工種で難易度の低いものもあれば、小額でも逆のケースもあり、すべて条件は異なり同じ工事はありません。県では、金額よりも維持管理工事等の品質管理のない工事の方が評定点に影響があると考え、平成21年度より工事成績評定の一部改正を検討していきます。

(質問) No.6

創意工夫は施工計画に記載とありますが、実際現場を施工していると施工計画の時点では考えられなかった施工に対する創意工夫もあるので、創意工夫の評価について考慮していただけないでしょうか。(その場合、文書協議で済ますことはできないのでしょうか。)

(回答) No.6

請負者は、工事着手前に工事目的物を完成するのに必要な手順や工法等についての施工計画書を監督員に提出しなければなりません。また、施工計画書の内容に変更が生じた場合には、その都度当該工事に着手する前に変更に関する事項について、変更施工計画書を監督員に提出しなければなりません。施工計画書に関しては、このように土木工事共通仕様書に定められおり、工事途中で発想された創意工夫等についても、それを実施する前に変更計画書を提出してください。

(質問) No.7

発注者と請負業者が対等な立場である中で、検査時または検査後、評価に対しての説明があれば良いと思います。また、双方での評価をしても良いのではでしょうか。

(回答) No.7

現在のところ評定において、検査員が書類検査,現場検査を終了し、各所属に帰り各考査項目毎の評価項目に該当するかのチェックをした後、評定点合計が算出されるシステムになっており、検査時または検査直後に評価に対しての詳細な説明は困難でありますが、検査の過程で評価項目にある内容について、質問及び検査員自身の見解等を行う場合も少なくありません。

(質問) No.8

施工内容や出来映えが良くなくても、完成書類が良くできていると評価が良く、逆の場合評価が悪かったのは何故でしょうか。(評価に偏りがある。)

(回答) No.8

工事検査は、契約約款に基づき工事目的物が設計どおり完成しているかどうかを確認する行為であり、請負業者が誠実に契約を履行したか否かを認める行為であるので、検査の対象は第一に工事目的物の出来形及び品質であり、さらに契約図書の一部である共通仕様書には、工事中の安全確保,爆発及び火災の防止,跡片付け,環境対策,交通安全管理等を行うことが規定されています。これに加えて、工事の施工状況は、工事目的物の品質に大きく影響するので、請負業者の行った施工の過程も検査の対象となり、また工事検査は請負者に対する契約の履行の確認でもあります。設計図書により義務付けられた工事記録写真,出来形管理資料,工事関係図等の資料の整備がすべて完了していることの確認、そしてそれらを基に現場が施工されているかを確認しなければなりません。現在、静岡県で採用している工事成績評価においては、別に評価要領を定め、監督員及び検査員の主観が入らない客観的指標で評価できるようになっており、完成図書作成に基づく現場内容の把握,見直し等が確実・良好にできていれば、それだけ出来上がったものの品質,見栄えも良くなっていると思われ、ご質問にあるような偏りがあるとは思えません。

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3.平成20年度工事から始まった「土木工事書類簡略化」の問題点について

国土交通省関係においては、平成20年4月17日付(国部整技管第30号)により、今年度より試行が始まりましたが、静岡県においては、今後提出対象書類の見直し、様式統一及び電子化等を図るなど工事書類の簡素化について、国の動向を注視し検討していきたいと思います。

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4.ワンデイレスポンスについて

ワンデイレスポンスは、監督職員が個々に実施していた「現場を待たせない」,「速やかに回答する」という対応をより組織的に行うもので、具体的には受注者からの協議に対し、発注者が1日以内で回答することを目指すものであり、回答ができないときは、1日以内に回答日を指定するようにしています。 現場で発生した問題に速やかな対応を実現することによって、受注者と発注者が協力して適切な工程管理を行い、安全と品質を確保した上で速やかに工事を完成させ、早期に供用開始を行うことで、受注者,発注者及び県民の三者に利点があると考えられます。 このため、昨年度からモデル工事を実現しており、今年度は土木事務所や農林事務所など関係する全事務所に拡大し、現在までに56件取り組んでいます。 取り組みの成果を取りまとめ、来年度はさらに件数を増やしていきたいと考えていますのでご協力をお願いします。

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5.その他

(質問) No.9

工事の中断のないよう事前協議を確実に実施していただけないでしょうか。また、無理な発注を避け、適切な時期,工期での発注をお願いできないでしょうか。

(回答) No.9

設計図書の照査結果、施工計画書の提出時などに現場との不整合について担当監督員と十分な事前協議を行い、工事の中断がないようにしてください。発注機関としても工事実施設計書起案時チェックの徹底や、用地取得が完了しない土地における工事の中断がないよう、静岡県建設部用地事務取扱要領(平成19年8月1日付建公第98号)第6条にて禁止されていることも踏まえ、用地の権原を取得する前に工事の請負契約が行われないよう、用地担当の連携強化などを図り、適切な事業執行の確保に努めていきます。当初発注時の設計工期の設定について、工種・工事規模及び各現場の個別条件に応じ、必要な工期の設定をすることとしており、今後とも適切な工期がとれるよう指導していきます。

(質問) No.10

安易に工期を延ばせばいいと思っている監督員がおられますが、請負業者にとって配置技術者は年間受注計画の中で工事実績を考え計画しており、工期が延びることで甚大な影響が出ます。契約の解除、打ち切り竣工等も考慮していただけないでしょうか。

(回答) No.10

工期延長については、甲乙それぞれの要因がありますので、甲乙協力して工期内での履行に努めるよう指導していきます。

(質問) No.11

海洋工事と同様に干潮時のみの作業で、しかも波の高い日は作業ができません。積算上は地上での工事となっています。現場条件にあった積算をお願いできないでしょうか。

(回答) No.11

上記設計変更の問題点への回答と同様に適正な設計図書作成に努めていきます。

(質問) No.12

一時中止についての「要領」をご説明いただけないでしょうか。

(回答) No.12

静岡県において「要領」の定めはないため、土木工事共通仕様書・契約約款等に基づき、工事の中止措置を行います。

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