一般社団法人静岡県土木施工管理技士会

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技士会からの質問・要望への回答

1. 土木工事検査について

1-1. 工事実施状況の検査についての要望・問題点

1-1-1. 安全管理

1. 社内安全パトロールや、新規入場者教育、KY活動、各種点検表等種々の安全管理書類がありますが、すべて提示する必要があるのでしょうか。検査時に準備する必要があるのでしたらご指示いただけないでしょうか。

安全管理についての指導は検査監の重要な責務であるため、安全管理書類すべてを提示してもらい指導していきます。現地で使用した物をそのまま見せてもらえば良いです。

2. 現場内に事務所がある場合は問題ないと思いますが、現場から多少離れている事務所で安全訓練を行う場合、代理人が常駐していないとのことで担当に連絡しなければいけないと言われました。現場を休工にして行っているため連絡はいらないのではないでしょうか。

平日だと監督員は作業中と認識しているため、現場での代理人との連絡に支障をきたすこともあります。一時休工にして安全訓練を実施している旨を連絡してもらえるとありがたいです。

3. 組織的な安全管理体制が確立され、無事故で完成した場合等は加点評価できるような基準を検討していただけないでしょうか。

担当監督員と総括監督員による安全対策についての採点考査項目に従って評価し、加点しています。

1-1-2. 使用材料

1. JIS規格の製品を使用する場合は、品質証明の提出及び納品時の段階確認を省けないでしょうか。

品質証明は、小額工事(請負金額500万円未満)については、自主管理・提出省略となっています。これ以外の工事ではJIS製品でも提出してください。
段階確認は監督員と協議のうえ省く場合は、部材の寸法がわかるような自主管理写真が必要となります。

1-1-3. 施工状況

1. 施工状況写真について、検査時に提示するよう指示されましたが、事前にご指示いただけないでしょうか。

写真は電子納品となっています。検査時にはCDに入力されている写真を見せてもらいます。なお、中間検査時はパソコンの中に入っている整理中の写真で結構です。紙に印刷する必要はありません。

2. 施工プロセスのチェックリストを受注者で作成しています。本来は発注者,受注者双方で行うものではないでしょうか。

発注者、受注者双方で内容を確認しチェックリストに記入してください。

1-1-4. 施工管理

1. 段階確認についてですが、担当の監督員が来られない場合には、嘱託員等により請負者の要望の日に実施していただけないでしょうか。

嘱託員等の確認で良いです。監督員と打合せを行ってください。

2. 写真管理において提出方法や整理方法が監督員によって異なります。統一していただけないでしょうか。

提出については「静岡県電子納品運用ガイドライン(案)」及び写真監理基準を基に監督員と打合せを行ってください。

3. 管理項目や頻度について、施工計画で承認を得ている場合で検査時に不足の指摘等を受けることがありますが、不足しているのであれば施工計画提出時に指導していただけないでしょうか。(検査時では対応等出来ない事があります)

「出来形管理基準及び規格値」の「測定基準」により施工計画を作成し、監督員と打合せを行ってください。

1-1-5. 緊急時の対応

1. 休日や夜間工事等において緊急事態等が発生し、担当及び主任監督員に連絡をしたい場合があります。携帯電話の番号を施工計画に記載できないでしょうか(至急連絡を取り判断を仰ぎたい場合がある)

監督員の携帯電話の番号を施工計画書に記載することは、担当監督員の了解があれば出来ると思います。施工計画に記載するかどうかはともかく休日や夜間工事等における監督員との緊急時の連絡方法は、工事着手時に監督員とよく打合せてください。

1-1-6. 書類管理

1. 近年、工事金額に係わらず複雑な工種も増え、提出書類が増大しています。よって現場担当者は昼現場対応に追われるため、夜間に書類作成をしなければなりません。夜間の残業が増え、肉体的な疲労や精神的な疲労が問題になっています。書類の簡素化に積極的に取組んでいただけないでしょうか。

工事書類の簡素化は、公共工事の品質確保の観点からも早急に取組むべき課題と認識しており、本年度(平成22年度)、国土交通省の取組み等を参考に工事書類提出の簡素化を検討し、平成23年度に試行を予定しています。

2. 小規模工事において、一般工事と同じ書類を提出するよう指示されました。仕様書に記載のとおりで良いのではないのでしょうか。[農林工事]

小規模工事の提出書類は、「小規模工事事務取扱要領」によることが原則です。したがって、提出を必要とする特別な理由がない限り、仕様書等で提出を求めていない書類の提出を求めないよう関係職員に周知徹底します。

1-2. 出来形及び品質の検査についての要望・問題点

1-2-1. 出来形

1. 段階確認で確認したものを再測定するのは省略出来ないでしょうか。

特別な事由がない限り、監督員が段階確認したものを検査監が再測定することはありません。

2. 完成検査時、実測検査が多く非常に時間がかかります。事前に担当職員と実測するか、検査測定箇所や測定内容を事前に協議しておくような方法がとれないでしょうか。(検査時間の短縮及びサポート要員の確保のため)

測定に相当な時間を要する場合は、事前に測定箇所を告知しますが、原則的には検査当日の現場状況から測定箇所を決定します。工種等が多い場合は、中間検査を行ってください。

3. 面積を展開図で管理している場合、測定箇所すべて確認する必要があるのでしょうか。(段階確認や社内検査でも検測している)

法面緑化工等で測点管理ではなく展開図で管理している場合は、検査頻度が決まっていないので測定箇所数の20〜40%程度を抽出して検査をします。

4. 出来形管理表において、県の規格値は明記しなくてもよいと言われたことがありますが、今後明記しなくてもよいのでしょうか。また、出来形管理図表及び度数表において、規格値の50%、80%のラインは、社内規格値に対して明記すればよいのでしょうか。県の規格値にプラス側の規格がなくても、社内規格値はプラス側を必ず設けなければならないでしょうか。

県の規格値は、社内規格値を設定していれば、管理表に明記しなくてもよいです。規格値の50%、80%ラインは社内規格値(100%)に対する割合です。測定値のばらつきを判定する上で一方しか規格値がない場合でも両方あると想定し管理表を作成願います。

5. 出来形において、考査項目の評価対象項目すべてを満足(自己評価)にしていて、規格値の50%以内に入っているにもかかわらず満点にならないのはなぜでしょうか。表記されていない検査評価があるのでしょうか。

検査監の評価対象項目には、出来形測定図の創意工夫等定量的に判断できないものがあります。この点の評価の違いが現れたものと思われます。

6. 規格値の圧縮などが評価されますが、検査頻度を増やす等の項目を評価した方が、良い精度のものが出来るのではないのでしょうか。

品質向上に繋がるものであれば創意工夫として評価します。

7. 監督員の都合により確認の日程が合わない場合、同一工種や軽微な物に関して自主管理にできないでしょうか。

自主管理を段階確認に代えることは出来ません。

1-2-2. 品質

1. 小額、小規模工事において、仕様書では管理省略となっている事項についても、担当者、検査監によって管理事項となるため、統一していただけないでしょうか。

小規模工事の管理項目については、仕様書で管理省略となっている事項についても、必要に応じて管理を求める場合があります。施工計画の打合せ時に監督員と打合せてください。

2. コンクリートの品質管理について、シュミット強度が熟成強度の上限を上まわる場合がありますが、熟成度表の改定を行う予定があるでしょうか。(以前、改定を考えている旨を聞きました。)

特にありません。

3. 品質管理の対象工種、ロットが少ない場合に品質管理の評価点が低くなります。これについて考慮していただけないでしょうか。

国土交通省の動向を踏まえ、検討していきます。

1-3. 材料の検査における要望・問題点

1. 静岡県建設工事検査要領 3.材料検査の②で、「材料単品の設計金額が500万円未満の材料検査は監督員が行うものとし、特殊なコンクリ−ト製品の材料検査として当該工場の品質証明書(ミルシ−ト)を審査し、工場検査を実施する。」とありますが、少量の使用についても適用されるのでしょうか。

特殊な鋼材、特殊なコンクリート製品(工事現場に搬入した後では、外観、品質、寸法等の確認及び補修が困難なもの)は、少量でも材料検査を行う必要があります。

1-4. 中間検査における要望・問題点

1. 現道舗装工事における路床改良での中間検査については、即日開放が余儀なくされていることから、路床改良で中間検査を実施すると一般通行車両への影響がでてしまうので、段階確認にすることはできないでしょうか。

段階確認が行えるのであれば、中間検査も可能と考えられます。

2. 中間検査を実施した場合、完成検査では中間検査を実施した範囲も検査の対象となるのでしょうか。今回の完成検査では中間検査の範囲も検査対象になっていました。中間検査の意図を教えていただけませんか。

完成検査は、中間検査を含め実施します。
中間検査は、不可視部分の確認検査と技術指導として書類検査、現場施工状況(品質、安全など)について、日常的な総括監督員の業務を定時的に補足指導することを目的としています。

3. 中間検査の日程について、現場工程と検査官の空き等を検討し、1ヶ月前ほどから検査日を決めていますが、現場側としては雨等の不確定要素を考慮し、余裕を持った日程を組んでしまい結果、検査待ちで工程が遅れてしまうことが多いです。一回程度の中間検査であれば、工程の遅れも取り戻すことができますが、数多い中間検査を要求された場合、工程管理が非常に困難となってしまいます。何か対策はないのでしょうか。

施工計画書提出時に担当監督員と段階確認及び中間検査実施時期の打合せを行うとともに、監督員と連絡を密にし、現場の進捗状況に応じて検査日程の調整を行ってください。

4. 検査実施時期については、おおむね進捗50%で実施となっていますが、現場施工状況に合わせて実施していただけないでしょうか。

中間検査は、不可視部分の確認検査とともに技術指導として書類検査、現場施工状況(品質、安全など)について、日常的な総括監督員の業務を定時的に補足指導することを目的としていますので、おおむね50%に拘らず、適切な時期に実施してください。

5. 中間検査など検査監が出来形寸法を検査しているので、リボンロットなどの写真はいらないのではないでしょうか。検測状況だけで良いのではないでしょうか。

検査を行った証明として、出来形寸法等の写真は必要です。

6. 中間検査の位置、範囲について施工計画時に協議決定しておくことで、工程管理が容易となるのではないでしょうか。

そのとおりだと思います。また、進捗状況にも寄りますので、担当監督員とよく打合せをしてください。

7. 消波ブロック製作工事で製作個数が少ない場合、概ね50%での検査で進捗の度合いを考慮することが困難な場合があります。そのような状況工事でも中間検査は必要でしょうか。

問1-4-4の説明のとおり、50%に拘らず、適切な時期に実施してください。

8. 中間検査での対象部分は、完成検査時に検査対象から省いてもよいのではないでしょうか。(書類、現場共)

中間検査で完成したものの出来形などの確認したものは、完成検査時には対象からはずしていると思います。(中間検査は対象物の受取ではありません。受取をする検査は既済検査)書類等においては途中経過を確認したものは、完成検査時に再度確認する場合はあります。
完成検査時に中間検査で施工済で受検したところが壊れていた場合は、受取はしません。

9. 中間検査時に、写真のダイジェスト版(紙)は必要ないのではないでしょうか。事務所内での見解が違うように思いますので、検査課より統一の見解をお願いできないでしょうか。

写真の紙ベースでのダイジェスト版は必要ないと思います。中間検査時においては、パソコンにより工事写真等が確認できるよう準備をお願いします。

1-5. その他

1. 検査において、交通誘導員が必要な場合は計上できるのでしょうか。

契約約款第31条の3に検査に要する費用は、請負者の負担とすると明記されております。

2. 検査終了時に、検査監から検査の総評をいただけないでしょうか。その都度総評をいただくことで、受注者としてはより良い施工にしようという士気が高まると思います。

検査結果についての講評は行うこととしています。検査時に講評がない場合は、現場代理人、主任技術者等から検査監に聞いてみていただきたいと思います。

3. 休日作業等はメ−ルでも可に出来ないでしょうか。

土木工事書類の簡素化により現在検討中です。

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2.高度技術・創意工夫・社会貢献等に関する評価についての要望

2-1. 高度技術

1. 高度技術や創意工夫及び社会貢献の評価は、直接検査点数に反映されるので重点項目として捉えていますが、高度技術として評価してもらえるような提案はなかなか難しいです。高度な技術力として評価をいただく提案について、具体例を挙げて説明をしていただけないでしょうか。

高度技術・創意工夫は、「新技術・実用新案・特許クラス」から「現場に適用した本当に些細工夫ではあるが非常に役立つ軽微な工夫」まで様々なレベルがありますが、高度技術は、工事全体を通じて他の類似工事に比べて、特異な技術力を要する必要があった技術(指定仮設も含む)を評価し、総括監督員と合議により担当が評定をしています。具体例は担当監督員の高度技術の「具体的な評価技術力項目及び工事具体例」を参考にしていただきたいです。
(なお、現在(H23.1月)国の成績評定一部改正に伴い、高度技術を工事特性に変更予定です。特異な技術といった観点から施工困難等の工事特性への対応を評価する観点に見直し検討中であります。)

2-2. 創意工夫

1. 創意工夫をいくつか出した場合に、どの項目について評価されたのかを明確にしていただけないでしょうか。

完成検査時に、講評を行うようになっておりますので、検査員に尋ねるか、担当監督員が評価をするので担当に聞くことも出来ると思います。

2. 施工計画書に記載してあっても、最終的に評価されない場合があるので、評価できない場合は計画書提出時に指示していただくことはできないでしょうか。

創意工夫は、施工計画書に記載し、実施した結果について評価を行うものであり、施工計画提出時に指示は出来ないと考えます。(明らかに創意工夫に該当しないものは、施工計画時に指示できると思います。)

3. 創意工夫の評点で+6.0〜0点の範囲とあり、内容によってはそれ以上の点数を与えてもよいとありますが、工事成績評定通知書に添付される項目別評定点の創意工夫の満点は5.0点表示のため、6.0点はつきにくいのではないでしょうか。

成績評定では、担当、総括、検査員がそれぞれ100点満点で採点し、構成比率により成績評定点を算出しております。監督員の評定した創意工夫は、加算点×0.4+2.6により求められます。したがって項目別評定点では創意工夫の満点は5点になります。

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3.その他(一般施工や契約に関する事項等)

1. 工事複数個所の舗装修繕がある場合で、受注後場所の変更を検討して工期延伸されます。代理人や監理技術者が拘束され期間が長くなり、他工事の受注が出来なくなってしまい、該当工事では経費が赤字となってしまいます。発注者側の都合で、むやみに工期を延ばすことは避けられないでしょうか。

工事の発注に際しては、現地の状況を充分に把握し、適正な発注に努めていきます。しかしながら、発注後の要因等によりやむを得ず施工箇所の変更をせざるを得ない場合もあります。また、工事の中断が発生する場合は「工事一時中止に係るガイドライン」により技術者の専任の解除をすることができますので、監督員と協議してください。

2. 橋面舗装の切削防水オーバーレイ工事の積算が、それぞれの工種の積算基準で設計されていますが、実際の施工は段差をつくらないよう切削、防水、オーバーレイを一連の作業で施工します。そうすると一日200平方メートル余りしか施工できません(1スパンの片側)。切削オーバーレイに関しては、切削オーバーレイの単価に変更になりましたが、それでも1層オーバーレイで1,000平方メートル/日の部掛りなので実情と大きくかけ離れています。もっと橋梁の実情に合わせた設計を組んでいただけないでしょうか。

積算基準は、国の基準を準用しており、県独自での基準の改定が困難な状況です。機会を捉え、国に対して橋面舗装補修工事の歩掛の制定を働きかけていきます。

3. 工事設計変更における設計図書(変更図面)の作成について、費用の負担をお願いできないでしょうか。

※ 担当した工事における当初図面が11枚に対し、新規図面を15枚追加作成した現場管理費に費用が含まれているのか疑問です。能率的に請負担当者が作成した方が良いと思いますが、作成時の変更金額を協議できないでしょうか。

工事の施工に必要な施工図面、出来高管理のための図面作成や完成図面作成に関する費用は、技術管理費として共通仮設費の率計上分に含まれています。
変更契約に使用する図面は、これらの図面を利用して作成しているものと考えます。また、発注者の都合により変更する場合の図面作成は、発注者が行うものであり、施工者の負担としないよう指導していきます。
(前年度と同じ質問・回答)

4. 設計照査の回答等が遅れてくるので、見直し設計の図面や数量が揃う前に、施工できる部分より見切り発車せざるを得なくなります。見切り発車のためロス手戻りの原因になり、ぎりぎりの施工着手なので工期に追われ、工事全体に悪影響を及ぼします。施工に合わせた回答をしていただけないでしょうか。

設計図書の照査において設計の修正が伴う場合は、設計に必要な期間を必要とすることから、事前の打ち合わせなど担当監督員との早めの協議をお願いします。また、これらに伴い工期内完成が困難となった場合も、早めに協議し、工期延長の請求等の必要な措置をしてください。

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